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小2長女の発達障害を疑って児童精神科に連れて行ってみた話。

先日、小2長女の発達障害(グレーゾーン)を疑って、児童精神科に連れて行ってみました。

そのときのことをまとめます。

児童精神科を受診した最大の理由は、身支度ができないから。

長女は赤ちゃんの頃から泣いてばかりで、おもちゃを手当たり次第に広げては片付けなくて、何をするにもどこへ行くにも私に引っ付いていて、育てづらさ満載だったんですが。

数ある困り事の中で「小2になっても身支度が全然進まない・習慣化されていない」というのがトップ・オブ・困り事になっていまして。(ご飯の食べ方が汚いとか、汚いことを気にしないとか、衛生観念がバグっていることも結構な困り事ではありますが。)

例えば……

お風呂から上がったら体を拭きますよね。で、その後我が家ではボディローションを塗ることになっています。それからパジャマを着て、髪を拭いて乾かして……という流れになるのですが、長女はお風呂から上がったらそれで終了。びしょびしょのすっぽんぽんのままそこら辺をうろつくんですよ。

そしていちいち「拭きなよ」「次はローション塗って」「パジャマ着て」「髪拭いて」「髪乾かして」と指示を出さないと動けないんです。指示を出しても動かないこともしばしばですが。

私が指示を出すから余計に頭を働かせないのかな、と黙ってみたこともあるんですが、黙っていたら永遠にすっぽんぽんのままで。長女の身支度が終わらないと誰も寝に行けないので、結局指示を出すことになるわけです。

産まれてから8年間、毎日同じことを繰り返しているのに、未だに長女の中で定着していないことが全然理解できないし、毎日毎日同じことを言わされて、言っても聞いてくれなくて、イライラして、怒って……とこちらも精神的にだいぶ参ってきていて、そんな私のせいで長女に悪影響があるんじゃないか、と思うようになって。

何か障害があるのなら良い意味で諦められそうだ。何もなくても「こんなもんか」と思えそうだ。専門家から見て長女はどうなのか知りたい。とにかく私は長女に怒るのをやめたい。

そんなわけで児童精神科に行くことを決めたのでした。

初診受付中止中のクリニックが多い中、どうやって児童精神科を見付けたか?

最近は「児童精神科」を掲げるクリニックも増えましたよね。20年くらい前は大学病院じゃないとなかった気が。

私の住んでいる地域にも児童精神科がいくつかあるんですが、患者が多すぎるのか初診受付をストップしているところが多いんですよね。どこもメインは大人の精神科なんですけど。今は病める人が多く、またそういう人が気軽に精神科に行ける時代ですからね。

もう自分の住んでいる地域で探すことは諦めて、かつて私がお世話になっていた先生のところに行くことにしたんです。

もう20年も前の話になりますけど、私は14歳から20歳までずっと、大学病院の児童精神科に通っていたんですよね。そのときの主治医が今、わりと近くのクリニックに勤めていて。近いと言っても、電車に乗らなきゃいけない距離ではあるんですけど。

予約料が5000円もかかるけど、それを出してでも診てもらう価値があるってことは実体験をもって知っているので、すぐさま予約しました。

児童精神科の待合室で過ごすには、本やおもちゃがあるとよい。

クリニックについたら問診票を書いて待つわけですが、精神科の特性上、予約時間には絶対に呼ばれないってことは長年の経験でわかっていたので、持って行った本を読ませました。

……まぁそれも飽きますよね。

そうなると動き始めて、待合室にある棚という棚を片っ端から見ていっていました。

あとは患者さんが待合室にいなくなると、長椅子と長椅子を膝で渡り歩いていました。「ここは家じゃないんだから」とか「ほかの人が見たら嫌な気分になるよ」とか声をかけましたが、まぁ、彼女に届くはずはなく。

トータル1時間半待ちました。こんなものでしょう。

児童精神科の診察は、親子→親だけ。

私は13年ぶりに元主治医に会ったわけですが、主治医は全然私のことを覚えていなくて笑いました。

医師と子供編

最初に診察室に2人で入って、子供メインで聞き取り。

名前を言わせるところから始まって、学校の話とか妹の話とか、困り事はないかとか、いろいろ聞いていました。

困り事については「ある」と言うのでドキッとしたら、「妹にケンカを売られること」だそうです。「声が大きすぎるしさー、力強すぎるし!」って言うので笑ったけど、内心ホントにヒヤッとしたぜ……「母にめちゃくちゃ怒られてること」って言うかと思ったから……

最初は名前さえも言うのをためらっていたんですが、主治医がよく長女の話を聞いてくれるので、最終的には長女の独擅場になっていました。しゃべるしゃべる。止まらない。ちなみにその間めちゃくちゃ貧乏揺すりしていました。

持ってきた本も主治医に見てもらって、素敵な本だねって言ってもらえたので、嬉しかったみたいです。

医師と親編

で、今度は私のターン。

長女は「一人で待合室にいるのはヤダ!」とちょっと駄々をこねましたが、スマホで韓国にいる父親に連絡してもよい、と許可を出したら、喜んで出ていきました。

昔私の母親がやっていたことを今度は私がやるんだなぁ……と感慨深く思いながら、元主治医と話をしました。

どんなことが気になるのかとか、何に一番困っているのかとか、年中次女の話や私の幼少期(母から聞いた話)の話もしました。

で、「障害があるなら“じゃあしょうがないね”ってなるし、何もなければないで“こんなもんなんだな”ってなると思う。もう怒らないようにするために専門家の意見が欲しい。」っていうのをストレートに伝えました。

児童精神科医の診断「幼少期のあなたと次女さんが特殊」

いろいろ話した結果、長女は障害でも何でもない、とのことでした。

問診票の「発達検査・知能検査を希望する」のところにチェックを付けたけど、その話が出る間もなく、という感じ。

「あなたの幼少期と年中の妹さんの知能が高すぎるだけね。長女さん、しっかり受け答えできているし、一人で待合室で待っていられるし、お友達もいっぱいいるみたいだし。大丈夫ですよ。」

長女に障害がなかったこと以上に、幼少期の私と年中次女の知能が高いと判断されたことに驚きましたね。

児童精神科を受診して起こった良い変化

いやぁ、我ながら中学生になるまでは努力せずとも何でもできてしまうタイプだったんですよね。勉強はできる、字はきれい、運動神経良い、歌もピアノも絵も上手い、食べ物の好き嫌いもない。

漢字を含む読み書きは3歳から始めていて、幼稚園時代には時計を読めていて、身支度も自分で完璧にこなしていて。教わったわけではないですよ。勝手に、自然にできるようになったんです。

母が言うには、全く手がかからなかったそう。

私は、私のできることはみんなもできると思いながら過ごしていました。

年中次女も、読み書きこそまだほとんどしないけど、1言えば10動くくらい先読み能力に長けているんですよね。人の話や動きに合わせて動けるし。

だからどうしてもね、長女に対して「なんで小2にもなって」っていう気持ちが湧いちゃうんです。

幼少期の私や年中次女が当たり前にできていることが、小2にもなった長女ができないわけですからね。“おかしい”としか思わなかったわけです。

でも専門家に、長女は普通で私と次女がちょっと特殊、みたいなことを言われて、あぁそうか、私は全くもって自分の基準でしか長女を見ていなかったんだな、ということに気付いたんです。

いやね、みんなそれぞれ自分の基準で物を見ているとは思いますけど、その基準が高い、ということを自覚していなかったんですね。

そのうえ、大人になれば、それこそ病気や障害がなければ、知能に差があってもある程度足並みは揃うと思うんですけど、これだけ幼いと凸凹が大きく見えて。

おそらく「普通」というのも、子供のうちは特に、私が思っている以上に幅が広いんでしょうね。

そのことに私は今まで気付かずに、考えもせずに、勝手に長女を“できない子認定”してしまっていたんですよね。

長女に関する困り事は、私自身が作っていたということです。わざわざ。

この8年間、毎日すごくすごく悩んだし、泣いた日もあったし、疲れたし、イライラしたし、クソッタレ!!!と心の中で叫ぶこともありました。めちゃくちゃありました。だけどそれらは全部私が作ったものだったんですよ。すごー。

もちろんね、友達と待ち合わせをしているのにダラダラしているときにはしつこく発破をかけますよ。でもそういうことでなければ、児童精神科に行ったことで、できないことについて「なんでできないんだ」「なんでなんで」と思わないようになれた気がします。「これは普通だ、これは普通だ」って相当言い聞かせてはいますけどね!!

「長女が普通で私の基準が高い」という事実に慣れるまでは、言い聞かせないと厳しいときもあるでしょう。でもそのうち言い聞かせなくても心をフラットに保てるようになればいいなぁと思います。

そうそう、最近私がガミガミ怒らなくなったからか、長女の癇癪(?)が減ってきたように思います。今まではすぐネガティブ思考になって文句垂れまくりだったのに。

ひとつひとつ指示を出したり「次何するんだっけ?」と考えさせたりしないと動けないのは相変わらずですが、これは普通なんです。普通なの。

すごく良い変化が訪れている気がします。親が変われば子も変わる、というのを実感する毎日です。