今回は貧乏性な私の「手洗い洗濯」にまつわる逸話を書いていきたい。
逸話と言ったら大袈裟か。
しかし正直、子供を二人育てながら手洗い洗濯をしている人は少ないと思う。
手洗い洗濯に興味がある人は、読んでみてほしい。特に貧乏性の人。
手洗い洗濯を始めた理由・・・貧乏性の極み?
私が手洗い洗濯を始めた理由。
それは、水道代と洗剤代を節約したかったからだ。
何を隠そう、私は貧乏性だ。
生まれ育った家庭は貧乏どころか、むしろ裕福だった。
欲しいものは何でも買ってもらえた。
高級なものでもだ。
しかし10代も終わりに差し掛かったころ、家の経済事情が危険水域にあることを知る。
生命の危機を覚えた私は、なるべくお金がかからない暮らしを目指した。
子供が産まれてからは、より一層拍車がかかった。
将来の子供たちや自分に、少しでも多くのお金を残したいからだ。
こうして、究極の貧乏性が出来上がった。
手洗い洗濯を始めるのは、当然の流れだった。
洗濯機を使うと、思った以上に水を消費する。
着替えたい放題の子供たちがいると尚更だ。
消費するのは水だけではない。
洗剤もじゃんじゃん使うことになる。
水道代はさておき、多くの人は洗剤代を節約したいなら、安い洗剤を使うことを真っ先に思いつくだろう。
しかし私は、安ければ何でもいいわけではない。
貧乏性なりのこだわりがあるのだ。
肌にやさしく、無香料で、余計なものが入っていないシンプルな洗剤を使いたかった。
選んだのはシャボン玉石けんのスノールだ。(これは正確に言うと、洗濯洗剤ではなく「洗濯石けん」。)
この洗濯石けん、使い心地が非常に良い。
柔軟剤を使わずとも、洗濯物がふわふわに仕上がる。
だが、アタックやトップなどの洗濯洗剤に比べて、価格が高いのだ。
液体タイプを洗濯機に投入すると、1ヶ月以内に使い切ってしまう。
コスパが悲しいくらいに悪い。
かと言って、他の洗剤を使いたくはない。
「それならば、手洗い洗濯をしよう。」
手洗い洗濯をすれば、水も洗剤も洗濯機ほど使わなくて済む。
節約命の貧乏性にとっては、至極当然の流れだったのだ。
日頃のストレスさえも洗い流してくれる手洗い洗濯
手洗い洗濯を始めて、気持ちがすっきりするようになった。
当然ながら、すべて手動なのでほぼつきっきりだ。
洗濯機を回してしまえば、他の家事ができるだろう。
しかし私は、家事の詰め込みのせいでストレスが溜まることに気づいていた。
脱水をうまくかけられず、ピーピー鳴る洗濯機に走る…
洗い終わる時間までに家事をキリの良いところまで進める…
早く洗濯物を干してしまいたいのに、50分もかかる…
そんな小さなことが、私にはとても大きなストレスになるのだ。
私は気にしなくてはいけないことがあるという状況が大の苦手だ。
ひとつのことに没頭したいタイプだ。
手洗い洗濯は、そんな私の日頃のストレスをも洗い流してくれる。
何を気にすることもなく、服を洗うのに没頭する時間はかげがえのない時間だ。
今や手洗い洗濯にかける時間は、慌ただしく生きる日々の中で、必要不可欠なものとなった。
ひとつひとつの服を丁寧に洗っていくという作業にも、心癒されている。
気持ちが入るからだろうか。
気持ちを入れるというのは、気持ちの良いことだ。
科学的に証明されているのかは知らないが、体感的にそう思う。
達成感にも似た感覚だろうか。
最近、「丁寧な暮らし」というものが流行っているが、なんだか頷ける。
現代は見るもの、考えること、やることが多すぎる。(昔のことは知らないが)
しかも、それらを同時進行しなくてはいけない。
丁寧にやろうにもできない。
そんな現代人だから、たまにひとつのことだけに向き合うと、心が整うのかもしれない。
手洗い洗濯の方法・・・クリーニング専門家のアドバイスを織り交ぜたオリジナルのやり方
私の手洗い洗濯の方法を紹介したい。
クリーニング専門家のアドバイスを織り交ぜたオリジナルメニューだ。
これが洗濯方法として正しいかどうかわからない。
しかし私は毎日この方法で洗っている。
生地の傷みは特にみられないし、汚れもしっかり落とせている。
これよりも良い洗い方があれば、問い合わせフォームからこっそり教えてほしい。
まず、私が手洗い洗濯で使っているものたちを紹介する。
ウタマロ石けんはドラッグストアでよく見かける、緑色の固形石けんだ。
漂白剤が入っているため、白いものをさらに白くする。
私は子供たちに白い服を着せることが多いのだが、ウタマロのおかげでいつも新品同様だ。
その漂白力には頭が上がらない。
スノールの固形石けんは色柄物に使っている。
石けん成分が高ければ高いほど洗浄力が強いということなのだが、この石けんの石けん成分はなんと99%。
洗浄力は言わずもがなだ。
液体スノールは、石けん特有の油っぽい匂いがあまりしない。
初めて使ったときは、想像以上にやわらかな仕上がりに驚いた。
また、懐かしいような、ほっとするような匂いにも心打たれた。
酸素系漂白剤は、より強力に洗いたいときに使っている。
例えば、食べこぼしが付いた服や靴下などを洗うときだ。
濃度を濃くして使えば、衣類だけでなく食器類の漂白・除菌もできる。
ひとつ持っておくと家中をクリーニングできる優れものだ。
クエン酸は使わなくてもふんわりと仕上がるが、使った方がより滑らかな触り心地になる。
また、石けんカスの付着や衣類の黄ばみを防いでくれるため、洗濯石けんで洗濯する場合にはぜひ使用したいアイテムだ。
たらいはニトリのたためるソフトたらいと、たためるバケツを使っている。
使わないときはたたんでしまっておけるのがとても便利だ。
肌荒れ防止のために、ゴム手袋も使っている。
素手で洗濯して荒れたことはない。
だが、アルカリ性である石けんが皮脂を溶かすことは確実だからだ。
ダンロップのプリティーネは袖が絞られているため水が入ってきづらい。
動作が荒々しい私には持ってこいである。
なお、私の手のサイズはLサイズがちょうどいいのだが、Lサイズだと袖の絞りがゆるく、落ちてきたり水が入ってきたりする。
そのため、Mサイズを使っている。
若干水かきができてしまうが、特に細かい作業をするわけではないので、あまり気にならない。
本題の洗濯方法をご紹介する。
手洗い洗濯をしてみたい人はひとつの例として見てほしい。
- 泥汚れや食べこぼし汚れは先に固形石けんで洗っておく
- たらいに水・洗剤・酸素系漂白剤を計量して入れる
- 洗濯物を入れ、5~10分程放置する
- やさしく押し洗いする
- 何回か水を変えてすすぐ(水を変える毎に洗濯物を握るように絞る)
- 水が透明になったらクエン酸を入れて仕上げすすぎ
- 洗濯物を軽くたたみ、ロール状にして握るように絞る
- 洗濯機でロール状のまま脱水する(天候や干す時間に合わせて5分前後)
私はいつも、肌着、上の服、下の服・靴下に分けて洗っている。
汚れ度合いで分けて洗う方が、なんだか気持ちが良いからだ。
慣れると大人1人・幼児2人の洗濯物でも30~40分程度で完了する。
目に見える汚れは固形石けんで落としてしまうので、手洗い洗濯でも汚れ残りの心配がない。
さて、この洗濯方法のポイントは、最後に洗濯機で脱水をかけるときに、洗濯物をロール状のままにしておくことだ。
そうすると服と服が絡み合って伸びる心配がなく、型崩れせずきれいに干せる。
バスタオルやシーツはどうしているか?
いくら手洗い洗濯がヒーリングになっているとは言え、バスタオルやシーツなどの大きなものを手で洗うのは大変だ。
最も過酷なのはすすぎ。
洗うものの大きさに比べてたらいが小さいため、いつまで経っても水が透明にならないのだ。
さすがに大きなものを洗うときには洗濯機を使用する。
大きなものを洗う日を決めておいて、その日だけ洗濯機を回す。
しかも洗剤は、コストパフォーマンスがまだマシなシャボン玉スノールの粉石けんを使う。
貧乏性には抜かりがない。
手洗い洗濯は、無理をしてはいけないのだ。
無理をした瞬間に、ヒーリングがストレスに変わるからだ。
体調が悪いときや情緒不安定なときも、洗濯機の力を借りることにしている。
実際、水道代と洗剤代は節約できているのか?差はどれくらいか計算してみた
我が家は2世帯で住んでいて、母も洗濯機を使うため、水道代を見ただけではどのくらいの差が出るのかわからない。
だが、洗濯機を使う場合と手洗い洗濯をする場合の水量や洗剤量を比較することはできる。
洗濯機を使う場合は大体、1回の洗濯で最低135~165リットルの水を使う。
最低、と書いたのは、脱水がうまくかからないときに自動で水が足されるからだ。
洗剤の量は75~90ml。
一方、手洗い洗濯の場合、1回あたり90リットルの水と25mlの洗剤しか使わない。
30日間で見ると、洗濯機での水の消費量は最低4050~4950リットルで、洗剤量は2250~2700mlだ。
手洗い洗濯では2700リットルの水と750mlの洗剤しか使わない。
差は歴然だ。
恐ろしいのは、30日間毎日洗濯機を回したら、スノールの液体せっけんのボトルを2.5個消費するということだ。
1個あたり1000円くらいだから、洗剤だけに3000円は費やすことになる。
1年間で36000円だ。
聞くに堪えない話だ。
私の住む地域での年間の水道代は、洗濯機だと66000~86400円、手洗い洗濯だと39000円になるらしい。
手洗い洗濯にするだけで、少なくとも27000円は浮くのだ。
結構な金額ではないだろうか。
手洗い洗濯を4年続ければ10万円が貯まる計算だ。
馬鹿にはできない。
だからやめられないのだ。