先日、悪徳業者と喧嘩しました。
外壁塗装会社を名乗る男の訪問営業
昼に焼きうどんを作っていたら、チャイムが鳴りました。取ると外壁塗装会社を名乗る男性が、挨拶をしたいから外まで出てきてほしいと言います。
実在する会社かどうかを調べるため社名をメモりつつ「今ご飯作っててちょっと手が離せないので帰っていただけますか~」と正直に伝えると、「お忙しいときに申し訳ありませんでした。また日を改めて伺います。」と言って帰っていきました。
この手の業者にしては礼儀正しいな、しつこくないな、などと、訪問営業者に対して不覚にも好印象を抱きました。
メモった社名をググってみると、芸能人を広告に起用するくらいには大きな会社であることがわかりました。そんな会社でも訪問営業するんですね。このご時世に玄関先まで出てきてもらうのは、骨の折れることでしょうね。
2回目の訪問営業で父がブチギレる
焼きうどんを作り終え、さあ食べようとしたその瞬間、またチャイムが鳴りました。外壁塗装会社が帰ってから5分も経っていません。みんなで顔を見合わせます。
今度は父が取ったかと思えば、受話器に向かって「うるせぇな!いらねぇんだよ!」と怒号を放ちます。なんと次は屋根が壊れていると指摘されたのでした。
さっき帰ったばっかりなのにしつこいね、とみんなで嫌な気分になりながら焼きうどんをつついていると、3回目のチャイムが鳴りました。また父が取ると「いらねぇっつってんだろ?!何なんだよ?!」と怒鳴り散らかしています。ガチャリと受話器を置くと、肩で風を切りながら玄関の外へと向かっていきました。
3回目の訪問営業で娘もブチギレ、悪徳業者のオツムの弱さが露呈する
私は、父がイキり立った輩にボコられることを危惧し、枕元に常備している警棒を手に取り外へ(あくまでも護身用です)。
そこでは、作業服を着た30代半ばくらいと20代前半くらいの男が、家の屋根が壊れていて危ないという話をしていました。
父が話を遮るように「そんなのわかってんだよ!」と吠えると、男たちは「こっちは親切心で教えてやってんのに!」と悪態をついてきます。そして、父では話にならないと思ったのか、30代風男が「娘さん、屋根のことなんですけど……」と、父の横に立つ私に愛想笑いをしながら話を振ってきます。
今まで威勢よく父に突っかかっていた人間が、ごまをすって話しかけてくるのが気に食わなくて、気付けば「屋根のことはわかったけど、アンタら態度悪すぎ」と口にしていました。親が親なら子も子です。どうしようもないですね。
すると20代風男が「そっちがいきなりキレてくるからこっちもこうなりますよ」などと抜かしてきます。この発言で私のスイッチは完全にON。「アンタらがしつこいからだろ???屋根のことはわかったっつってんのに何度も来てんじゃねーよ???社名何??もっかい教えて?????」。
すっぴんメガネオールバックパジャマにパーカー、靴下とビーチサンダルの調合。隠し持つ警棒。普段抑制されているがゆえに勢いを持った言葉たち。どちらが輩かと言えば完全にこちらです。「テメェら」と言いたいところを「アンタら」と言ったのは、我ながらよく抑えたなと思います。
上にも書いたように、1回目訪問時に私は社名を控えています。それが合っているかどうか確認するためにもう一度聞きました。社員の教育がなっていないとクレームでも入れてやらなければいけませんのでね。
すると30代風男が「なんで教えなきゃなんないんすか?」などとクソほど面白いことを言い出します。「そっちが用があって来てんのに名乗らないのはおかしいだろwwwww」。大草原です。
最終的に男たちは「因数分解だ!因数分解!」などと、ディスっているのか何なのかよくわからない言葉を残して去っていきました。因数分解という言葉を最近やっと覚えて、使ってみたかったのかもしれないですね。むずかしいことばだもんね☆
カーテンの陰からこっそり様子を伺っていた母は最後に「捨て台詞かよ!」と一言放っていました。娘とカーテンを盾にする母。面倒事には巻き込まれたくないという強い意思を感じます。この件においては母が大正解です。
訪問営業に対するクレームの電話
私は焼きうどんそっちのけで、メモった会社に電話をかけます。大変声がきれいで言葉遣いの美しいオペレーターのお姉さんにこれまでの事を説明。ただのキ○ガイクレーマーではないことを証明すべく、お姉さんには終始穏やかにお話しいたしました。実に多面性があります。
立て続けの訪問営業、衝撃の事実
その後、社員の派遣元の営業所長から電話が入り、謝罪を受けた後、もう一度事の経緯を説明。最後まで聞いた後に「言い訳するようで申し訳ないのですが……2回目、3回目の訪問者はうちの者ではありません……」と言われるのです。そういうことらしいのですが、どういうことかわかりません。頭を整理するために「ちょっと待ってもらっていいですか?」としばらくの間待ってもらいました。私の「えー……そうか……え……?」という声だけが営業所長に届いている状況です。
こちらとしては1回目も2回目も3回目も全員同一人物だと思っているわけです。それが違うと言うのですから、当然思考回路は断たれます。しばらく無言のスマホを耳にあてながら白い壁を見つめておりました。
そして「お話を聞く限り、2回目、3回目の訪問者は十中八九悪徳業者です。名乗りもせずに“屋根が壊れている”という話から始める手口がものすごく流行っているんですよ。」。
まぁそうだよな。それはわかる。悪徳業者だというのはわかってる。だけど同一人物ではない……だと……?
私が一人で「えー……そうか……え……?」を繰り返していると、「もしご不安でしたら、私と、今日訪問させていただいた者でご自宅にお伺いして、名刺をお渡しすることもできます」と提案してくれる営業所長。ウゥッ、誠実ゥッ!
お言葉に甘えて訪問をお願いすることにしました。念のため、頭クソ悪輩と別人だということを確認したかったので。
外壁塗装会社の営業所長と社員の訪問
しばらくして営業所長と1回目訪問の社員が到着。外へ出ると、門の前には知らない男性たちがいました。「全然違う人だ!全然違います!」。私の第一声です。
1回目訪問の会社は、きちんとした会社だということがわかりました。社員は社名入りのユニフォームを着て、話し方や話の内容、立ち居振る舞いが真っ当に社会人をしている人そのものでした。
何も悪いことをしていないのに申し訳なさそうな顔をしながら、時折私の話にニカッと笑って相槌を打ってくれる若い男性社員。彼の姿から直向きに仕事をしているのを感じて、かえってこちらが悪いことをした気持ちになりました。「疑ってごめんなさいね」とすっぴんジャージBBA。
もう訪問営業には来ないことを約束してもらいつつ、しっかりと名刺は受け取り、「真面目にやっている会社なので、もし何かあったときにはぜひご利用ください。」と気持ちの良い営業を受け、一件落着です。
悪徳業者の報復に備える
2回目に来たのは20代風男。急に父にキレられて埒が明かないので、30代風男と共に3回目の訪問をしたというわけでした。
こちらとしては2回目、3回目、だけど、あちらとしては1回目、2回目、なんですよね。
そりゃあ「いきなりキレられた!意味不明!」と憤慨するのも無理がないです。少し同情します。
でもね、キレ散らかす人間がいるような家に何度も来ちゃダメだよ。こっちがガチもんのヤバイ奴だったらどうするの?刺されるよ?
そもそも人から金を巻き上げるようなことはやめようね^^
一応、因数分解男たちが報復してくる可能性を考え、防犯対策をさらに強化しました。家周辺の見回りに加え、警棒で半○しにする練習を行っております。不法侵入してきた輩に手加減する必要はありません。
今回の件についての本音
本音を言えば、父にはキレ散らかさないでもらいたかったです。父がキレ散らかすから私が外に出ていく羽目になったし、何をしでかすかわからないオツムよわよわ相手に話をしなければならなくなったのです。
何も言わずにインターフォンを切っていればそれで済んだのに。80を超えてもなお血気が盛んで困ってしまいます。