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財布を落とした!けど戻ってきた!拾い主にお礼した!

先日、あろうことか財布をなくした。しかし、戻ってきた。一銭も失うことなく、無事に戻ってきた。すべては拾ってくれた人のおかげだ。三十路過ぎのババァは少女のようにドキドキしながら、拾い主にお礼をした。

財布がないことに気付く

友人とランチに行く途中、ATMでお金をおろそうとバッグを開くと、あるはずの財布がない。

また家に置き忘れたか。バカだな。

実は以前にも友人と食事をするのに財布を持たないで出て行ったことがあるのだ。呆れながら、今回はたまたま携帯していた諭吉に助けてもらった。

呑気に帰宅し、念のために財布を探した。

しかし、無い。

違うバッグに入れたか?無い。
コートのポケットにしまったか?無い。
洗面台の引き出しに投げ入れたか?無い。
家中のどこにも無い。

焦り始める。どこかで落としたかもしれない。

財布を落とした?思い当たる節

思い当たる節はあった。

駐輪場に自転車を停めるとき、隣に停まっていた自転車に引っ掛かって、自分の自転車を倒してしまったのだ。自転車のかごにはカバーを付けているが、ふたは閉めていなかった。バッグのファスナーも閉めていなかった。そのときに財布が転げ落ちた可能性がある。

財布の捜索開始

駐輪場に電話をかけた。
「財布の落とし物、ありませんか?」
今日はまだ届けられていないと言う。胸が騒いだ。

私は時間を置いて、家の同じところを何度も探した。時間が経てば出てくるかもしれないから。なぁ、そうだろう?そうだと言ってくれ。

家の中をぐるぐる回っていると、駐輪場から電話がかかってきた。
「私も探してみたのですが、財布は落ちていませんでした。もしかしたら交番に届けられているかもしれないので、駐輪場近くの交番に問い合わせてみてはいかがでしょうか。」
おじさん、探してくれたんだね、ありがとう……でもなかったんだね……。

ありがたいやら悲しいやら複雑な気持ちで、交番に電話をかけてみた。どうか誰か届けていてくれ。

そう、このときにはもう、私の中では財布は駐輪場で落としたことになっていた。

「今日って財布の落とし物ありますか……?」
お調べします、と言われ待っている間は、生きた心地がしなかった。

「近隣の交番や警察署にも問い合わせたのですが、今日は届けられていませんでした。ひとまず遺失届を出してください。」

残念無念。現金は1000円しか入っていなかったが、クレジットカードは数枚入っていた。誰か拾ってそのまま持っていってしまったのだろうか。

運転免許証も紛失

財布の中には運転免許証も入っていた。私にはもう、身分を証明できるものがない。

運転免許証の再交付を受けられる場所

お巡りさんに免許証は今後どうすればいいのかと聞くと、都道府県によっては警察署でも再交付を受けられるらしいが、神奈川県では二俣川の免許センターまで行かなければならないと言う。

愕然とした。遠すぎる。めんどくさすぎる。

「おぉ!!!なるほどぉ!!!」と目をひん剥いて相槌を打つことで、泣きたい気持ちを紛らわせた。

完全にやらかしている。

財布をなくしたらやること

財布をなくしたら、下記のことをやらなければいけない。全部お巡りさんから教えてもらったことだ。忠実に実行した。

  • 警察への遺失届の提出
  • クレジットカードの利用停止手続き
  • キャッシュカードの利用停止手続き

警察への遺失届の提出

お巡りさんに言われたとおり、遺失届を出すことにした。これを出しておけば、もし誰かが財布を交番や警察署に届けてくれたときに連絡が来る。

また、クレジットカードやキャッシュカードを不正利用されても、お金が戻ってくる。逆を言えば、遺失届を出していなければ、不正利用されてもお金は戻ってこないということだ。重要な届出である。

急ぎの場合は、財布を落とした場所を管轄する交番か警察署に直接出すとすぐに対応してもらえる。

私はと言うと、オンラインで提出した。財布をなくしたことに気付いたのが夜で、小さな子供がいる私には出かけるのが難しかったからだ。

オンラインで提出できる都道府県は限られているが、ありがたいことに神奈川県は受け付けていた。

落とし物の届出・検索|警察庁

なお、オンラインで提出された遺失届は、警察署の開庁時間内にしか処理してもらえない。夜に出した私の遺失届は、翌朝に受理された。

クレジットカードの利用停止手続き

遺失届を出した後、クレジットカード会社に電話をかけまくった。カードの利用停止と再発行の手続きだ。

私が問い合わせたのは「Viewカード(ルミネカード・ビックカメラSuicaカード」と「楽天カード」だ。

利用停止→カード発見貯まったポイントの扱い
ルミネカード利用不可・カードと同時に利用停止
・新しいカードに自動引継ぎ
ビックカメラSuicaカード利用不可【JREポイント】
・カードと同時に利用停止
・新しいカードに自動引継ぎ
【ビックポイント】
・利用停止はビックカメラへの依頼が必要
・新しいカードへの自動引継ぎについては不明
楽天カード利用不可・カードと同時に利用停止
・新しいカードに自動引継ぎ

この中でビックカメラSuicaカードだけ例外的だ。ビックポイントはビューカードの管轄ではないため、ビックカメラに利用停止の依頼をしなければならない。

つまり、このカードが誰かの手に渡った場合、ビックカメラでビックポイント利用停止の手続きをしていなければ、カードは使われないにしてもポイントは使われてしまう可能性があるということだ。

当時、ビックポイントは数百円分ほどしか貯まっていなかった。私はビックポイントを捨てる覚悟で、楽をすることを選んだ。電話での問い合わせは本当に骨が折れる。

貯まっていたビックポイントの行方は追っておらず、新しいカードに引き継がれたのかどうかは不明。

キャッシュカードの利用停止手続き

銀行のキャッシュカードの利用停止・再発行手続きはアプリから行った。アプリで手続きすると、再発行手数料が電話で手続きするより半分くらい安いからだ。

私が利用停止・再発行手続きをしたのは「横浜銀行」「三菱東京UFJ銀行」「住信SBIネット銀行」だ。

利用停止→カード発見
横浜銀行利用不可
三菱東京UFJ銀行利用不可
住信SBIネット銀行利用再開可能

この中で住信SBIネット銀行のみ、カードが見つかった場合はオンラインでの簡単な手続きをするだけで再び利用できる

予め銀行アプリのインストールオンラインサービスの利用登録をしておくと、カードの紛失や盗難にあったときにすぐに手続きができて便利だ。

私はどちらもしていなかったので、詰んだ。一刻も早くカードを止めたいのに、やらなければいけない作業が多すぎて詰んだ。

財布発見の連絡

一連のクソめんどくさい作業を終え、あとは拾い主が現れるのを待つのみとなった。財布のことが気がかりで眠れないかと思いきや、疲れ果てて爆睡だった。

翌朝、駐輪場から着信があった。子供たちを保育園に送っている間に3回もかかってきていた。もしや……と期待を胸に折り返すと「財布、ありましたよ!」という元気な声。

おじさん!!!ありがとう!!!

嬉しくて、ホッとして、おじさんの話を遮って、よかった、ありがとうございます、と連呼していた。

「今朝、高校生の方が届けてくれました。心配しているだろうからできるだけ早く電話しなきゃと思って電話しました。拾い主の電話番号を控えているので、受け取ったら電話一本入れてみてください。」

もちろんだよおじさん!!!

夕方、財布を受け取りに駐輪場へ向かった。駐輪場のおじさんたちへのありがとうの気持ちを込めたお菓子を持って。

駐輪場に着きおじさんに声をかけると、管理室の中からグレーの小さな財布がおじさんと共に現れた。おじさんの手のひらの上で、財布が輝いていた。紛れもなく、私の財布だ。

中身を確認すると、消えたものは何一つなかった。唯一の現金である1000円札も至って無事だ。

かわいい私の財布よ……戻ってきてくれてありがとう……。

財布の拾い主に電話とお礼

個人情報保護のため、駐輪場の電話機から拾い主の高校生に電話をかけた。しかし繋がらなかったので、名前と電話番号を紙に書いてもらった。男の子の名前だ……。

高校生の男の子……イマドキの男子高校生ってどんな感じなんだろう……ぶっきら棒に、はいかいいえしか言えないのかな……若い子は電話が苦手だと聞くし、かけても出なかったりして……。

帰宅したおばさんは夜、ドキドキしながら高校生に電話をかけた。呼び出し1回で出た。イマドキの高校生でも、電話に出られるんだ。

私「あの……長月と申しますが……」
高校生「あ!財布の!」

なんと、名乗っただけで財布の持ち主だとわかってくれた。そういえば、運転免許証だけ引き抜かれた跡があった。もしかしたら名前を確認したのかもしれない。

私「財布、無事に受け取りました。ありがとうございました。」
高校生「よかったです!中身は全部ありましたか?」

なんと高校生は、財布を拾って届けてくれただけでなく、中身の心配までしてくれた。なんて心優しい高校生なのだろう。そしてものすごく社会慣れしている。

おばさんはお礼にと、AmazonギフトカードQuoカードPayを選ぶように言った。

「礼なんていらないっすwww気持ちだけで十分っすwww」

そう遠慮する高校生におばさんはしつこく迫る。駐輪場のおじさんにさえお菓子をあげているのに、拾い主にお礼をしないはずがない。

心優しい高校生はおばさんの気迫に負けて、ついに「じゃあQuoカードPayでwww」と答えてくれた。

電話を切る前に若者にいっちょ激励をと思い、高校何年生か聞いた。返ってきた答えは「社会人っすwww」だった。

え!!!!!おい!!!!!駐輪場のおじさん!!!!!

平謝りだ。

しかし声と喋り方の感じ(めちゃ陽キャ)はおそらく20歳前後だ。若者であることに違いはない。

一旦電話を切り、SMSで3000円分のQuoカードPayを贈った。受け取った彼から返事が来た。

「こんなにいただいちゃっていいんですか?!正直めっちゃ嬉しいです笑」

なんという人たらしだ。好きなように使ってくれ。危うくママ活に目覚めそうになった。金無いのに。

おわりに

財布をなくしてから1週間が経ち、続々と再発行したカードが届いている。その間の買い物は、たまたま家に置いていたAmazonマスターカードで済ませた。家に予備のクレジットカードを置いておくことはとても大切なことだと知った。

そして、バッグのファスナーを閉めること、自転車のかごカバーも閉めることは、それ以上に大切なことだと痛感した。なくしてはいけないものは二重三重に守ろう。

財布が見つかったので、住信SBIネット銀行のキャッシュカードは利用停止を解除した。遺失届も取り下げた。

すべて返ってきてよかった。本当によかった。拾ってくれた高校生……ではなく社会人のおかげである。本当にありがとう。