今回は、しがない子持ち主婦のtwitterに届いた「副業紹介の詐欺DM」に返事をした結果を書いてみる。
暇つぶし程度にでも読んでもらえたら嬉しい。
ツイッターに1通のDMが届く Amazonの副業紹介?
ある日、手抜き飯を載せるために存在する私のtwitterに1通のDMが届いた。
内容はこうだ。

「Amazonの販売者の知名度を上げるために作業をしてほしい。商品代金の8~10%の報酬が入る。詳しく知りたければ、LINEで友達追加してくれ。」
これはもう、LINEを追加せざるを得なかった。
LINEで友達追加→日本人(?)から連絡
LINEで友達追加をすると、こちらから何も言わずとも相手からメッセージが来た。
「こんにちは。副業について知りたいですか?」
友達追加をしただけで副業の件だとわかるあたり、副業勧誘用のアカウントなのだろう。
アイコンは日本人にも見える東アジア人の色褪せた子供の写真。
どこかから拾ってきたのか、スクリーンショットを切り抜いた画像だった。
名前は日本名で、カタカナでフルネームが書かれていた。
副業の内容は「Amazonの売り手をサポートする仕事」
早速、副業とやらが一体どんなものなのか聞いてみた。

Amazonの売り手に指定された商品を購入し、Amazonでの検索順位を上げるのが仕事なのだそう。
商品を購入したことを売り手に伝えると、後で購入代金に商品の8~10%の報酬を加えて銀行口座に振り込んでくれるらしい。
Amazonは購入者数の多い商品を検索結果の上位に表示させる。
売り手は商品の知名度を上げたいから、購入者数を増やしたいのだ。
それは理解できるのだが、不可解な点がいくつかある。
不可解な点
話を聞いて不可解だと思った点がいくつかあるのでご紹介したい。
まず、商品を購入しても実際に送られてくるわけではないのだそうだ。
最初は発送されるという話だったのだが、そんなに商品が届いたら部屋が商品で埋もれやしないか。
その点について尋ねると、実際に商品を受け取ることはないと言う。
また、何の商品を購入したのか自分にはわからないようになっていると言う。
ドライヤーやシェーバーといった大まかなカテゴリーはわかるのだそうだが、具体的な商品名やメーカー名などはわからないらしい。
つまり、何を買わされるのかわからないまま金を払う必要があるということだ。
報酬は銀行口座に振り込まれるというので、証拠画像を要求してみた。本当に報酬が支払われるのか怪しいからだ。
買うだけ買って商品も報酬も受け取れないなんてことは、回避せねばならない。
しかし、個人情報だからと断られた。
「個人を特定できそうなところは黒塗りして送ってください」としつこく言ってみたが、それでもダメだと言う。
今や給与明細でさえネットにアップされる時代なのに。怪しい。
さらに、当初は自ら「購入するためのプラットフォーム」の存在を打ち明けていた。
プラットフォームとは、amazonや楽天市場のようなECサイトのことだ。
そのプラットフォームとやらの名前を尋ねてみると、「クローズドな仕事だからプラットフォームはない」と言う。
話に一貫性がまったくなくて笑ってしまった。本人は話していて自分でおかしいと思わないのだろうか。
プラットフォームがないということは、現金のやりとりをするということだ。「サイトがない=カードが使えない」からだ。
今の時代、クレジットカード決済ができないビジネスというものがあるのだろうか。
しかも、運営資金として2万円を準備しろと言う。
商品は概ね2~8万円なのだとか。
2万円以上もするドライヤーやシェーバー……。
高品質なドライヤーやシェーバーを欲しい人は、そんなどこからともなく沸いてきた無名の商品など選ばないだろう。
世界中の人から知られて、愛されているブランドのものを使うのではないだろうか。
最低でも2万円は確保したい魂胆が見え見えだ。
「売り手」というやつの名前も教えてはくれなかった。
どこの誰かも何のどんな商品なのかもわからないのに、金だけはしっかり払えということだ。これで引っかかる人がいるのだろうか。
何を聞いても答えにならない答えが返ってくるのは、詐欺やマルチ商法の勧誘の常套手段なのだろう。

若干おかしい日本語は、アメリカ育ちのせい?
上に載せたスクショの文章を見てもらえばわかるとおり、相手の日本語はとてもぎこちない。
所々に入る見慣れない漢字から、日本語のネイティブ話者ではないと思ったので単刀直入に聞いてみた。
「あなた、日本の方じゃないですよね?」
どうもアメリカで生まれ育ち、現在は九州某所に住んでいるらしい。日本語は勉強中だから完璧ではないということだった。
今まで私にDMを送ってきた日本語が若干おかしい人たちは皆、アメリカ生まれアメリカ育ちの日本語勉強中の日本人なのだろう。
月に50~60万円稼げる副業なんだって(大嘘)
DMの送り主は、商品代金を除いた報酬のみで月に50~60万円も稼いでいるのだそう。
商品が2万円で、それの8%が報酬になるとすると1600円の利益が出る。それだけで月50万円稼ぐには、実態の見えない商品を312個も購入しなくてはならない。
つまり、50万円を手に入れるために624万円を用意しなければならないということだ。平均的な正社員の年収よりも多い。馬鹿げすぎて涙が出る。
しかも現金でやり取りをするから、売り手とやらが行方でもくらませばこちらは金を搾取されるだけだ。せめて商品だけでも手元に残れば、転売してお金に換えることができるのだが。
ツッコミどころ満載で、荒っぽい話だった。
Amazonでのサクラ行為はポリシー違反
実際に話を聞いてこの副業を始める人がいるのだろうか。もし手をつけてしまった人がいたら、被害が少なく済むことを祈っている。
そしてAmazonでは、この副業内容のようなサクラ行為はポリシー違反としている。何らかのペナルティが下る可能性があるから、安易に試さない方が賢明だ。