「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」vs「ムシューダ ダニよけスプレー」 どちらが子供に安全?人体への影響は?徹底調査&報告

長月です。

今回は、

というふたつのダニ駆除スプレーについて、

  • 殺虫成分の違い(特徴や毒性など)
  • 子供のいる家庭ではどちらの方がより安全に使えるか

などを調査・考察した結果を載せたいと思います。

前提として、我が家では寝具や子供のぬいぐるみのダニ駆除に「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」を使ってきました。

ところがそれがもうなくなり、今度はお試しに「ムシューダ ダニよけスプレー」を買ってみました。

このふたつはどちらも「子供がいる家庭で使える」のが売りの製品ですが、配合されている殺虫成分が違います

そこでそれぞれの殺虫成分の特徴や毒性を知りたくなり、調べてみたというわけです。

企業の売り文句に踊らされることなく、科学的根拠をもとに「子供がいる家庭ではどちらの方がより安全に使えるのか」を考えてみました。

大日本除虫菊「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」の詳細

まず、「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」について、

  • 成分
  • 使えるもの
  • 効果持続期間

を見ていきましょう。

成分

  1. フェノトリン
  2. N-(2-エチルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド(MGK-264)
  3. 香料(シナモン由来成分配合)
  4. エタノール

フェノトリン(殺虫成分)

フェノトリンは人工的に作られた殺虫成分です。

特徴は、

  • 光に強い(光ですぐに分解されない)
  • 水中でも効果を発揮する
  • 速効性がある
  • 残効性(持続性)もある
  • さまざまな害虫に効果がある

などです。

「すぐ効くし長く効く」

そんな殺虫成分ですね。

N-(2-エチルヘキシル)-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド(MGK-264)

やたらと長い名前のこの成分は、フェノトリンの効果を増強させるために用いられる成分です。

フェノトリンは害虫に効きますが、害虫の体内で分解もされます。

その分解を遅らせるのがMGK-264です。

香料(シナモン由来成分)

香料にはシナモン由来成分が使われています。

ダニはシナモンの香りが嫌いらしいのです。

実際に匂いを嗅いでみると、「ふわっとやさしいフローラルの香り」といったところでした。

香料が苦手な私としては入っていない方がうれしいのですが、これでダニを寄せ付けないなら全然OKです。

ちなみに、香りはスプレーをしたときだけほのかに漂って、液剤が乾いたら消えます。まったく残らないです。

使えるもの

  • 布団
  • マットレス
  • 布製ソファ
  • カーペット
  • たたみ
  • クッション
  • ぬいぐるみ

布製であれば小さな子供が使うものにもOKです。

実際我が家では子供用の布団やぬいぐるみに吹きかけています。

効果持続期間

効果持続期間は約1ヶ月程度

フェノトリンが元々もつ残効性とMGK-264という効力増強剤のためですね。

なお、私は寝るときに目や鼻がかゆくなったりくしゃみや鼻水が止まらなくなったりしたときだけこのスプレーを使うのですが、使う頻度は3ヶ月~半年に1回くらいです。

予防目的で使うならやはり月に1回は使った方がいいのでしょうね。

エステー「ムシューダ ダニよけ(スプレー)」の詳細

それでは次に、「ムシューダ ダニよけ(スプレー)」について、

  • 成分
  • 使えるもの
  • 効果持続期間

を見てみましょう。

「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」に比べ、こちらの方がラベルのデザインが爽やかで、しかも広告にでかでかと赤ちゃんが載っているのでなんとなく無害そうな気がしますが、果たしてどうでしょうか。

成分

  • 100%天然ピレトリン
  • エタノール

こちらの殺虫成分は100%天然ピレトリンです。

かなりシンプルな成分表になっていますね。

ピレトリン(殺虫成分)

ピレトリンは除虫菊という花から抽出した殺虫成分です。

成分表で「100%天然」と強調しなくても、ピレトリンというだけで100%天然です。

この成分の特徴は、

  • 速効性がある
  • さまざまな害虫に効果がある

などです。

古くから使われてきた殺虫成分なので、効き目はあるけど無難な感じがしますね。

使えるもの

  • 布団
  • ベッド
  • シーツ
  • 布製ソファ
  • クッション
  • ぬいぐるみ

これはキンチョーのダニがいなくなるスプレーと変わらないですね。

効果持続期間

こちらの製品の効果持続期間は約2週間程度だそうです。

殺虫成分がピレトリンだけなので、分解されやすいのでしょうね。

フェノトリンとピレトリンは仲間?「ピレスロイド」とは

ここで小話です。

フェノトリンは人工的な殺虫成分で、ピレトリンは除虫菊の花がもつ殺虫成分だと上に書きました。

だからまったくの別物だと思うかもしれませんが、実はこのふたつは「ピレスロイド」という同じ種類の殺虫成分です。

ピレスロイドは除虫菊の花由来の殺虫成分のことで、天然成分であるピレトリンをもとに人工的につくられたのがフェノトリンです。(他にもいろいろあります。)

つまりピレスロイドは、

  • 天然成分(ピレトリンなど)
  • 天然成分に手を加えたもの(フェノトリンなど)

ということになります。

もし「ピレスロイド系殺虫剤」というワードが出てきたら、天然・人工関係なく「花由来の殺虫剤なんだな」と思えばOKです。

ちなみに除虫菊はこんな花です。

あれ…?いろんな庭先に咲いてない…?

フェノトリン(キンチョー ダニがいなくなるスプレー) vs ピレトリン(ムシューダ ダニよけスプレー) 安全性が高いのはどっち!?

ここで、フェノトリン(キンチョー ダニがいなくなるスプレー)とピレトリン(ムシューダ ダニよけ)の安全性を科学的根拠をもとに比較してみます。

果たして企業の売り文句を鵜呑みにしてもいいのか。売り文句の根拠は何なのか。

我ながら細かいなぁと思うのですが、結構大事なことだとも思っています。

自分の身を守れるのは、最終的には自分しかいないですからね。(悲しい事故のニュースを見て、よりそう思いました。)

これから書くことは少しマニアックな情報になりますが、安全性で製品を選ぶためには欠かせない情報でもあるので、気になる方はご確認ください。

フェノトリンの毒性(キンチョー ダニがいなくなるスプレー)

まずは、「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」の殺虫成分である「フェノトリン」の毒性から見ていきましょう。

マウスラット
急性経口毒性 LD50(mg/kg)>10000>10000
急性経皮毒性 LD50(mg/kg)>5000>10000
急性吸入毒性 LC50(mg/㎥)11801180
情報元:大日本除虫菊公式HP

これは、ある物質を口から摂取したり、皮膚から吸収したり、吸い込んだりしたときに、「どのくらいの量で実験動物の半数が死ぬか」という「50%致死量」を示したものです。

数字が大きければ大きいほど毒性が低いということになります。

これだけでは比較のしようがないので、次にピレトリンの毒性についても見てみましょう。

ピレトリンの毒性(ムシューダ ダニよけスプレー)

では、ピレトリンの毒性はどうでしょうか。

ピレトリンは「ムシューダ ダニよけ」の天然の殺虫成分です。

マウスラット
急性経口毒性 LD50(mg/kg)273~796260~900
急性経皮毒性 LD50(mg/kg)記載なし1350~5000
急性吸入毒性 LC50(mg/㎥)>6500>6500
情報元:大日本除虫菊公式HP

フェノトリンと数字がだいぶ違いますね。

数字が大きければ大きいほど毒性が低いので…さあ、見比べてみましょう。

ところで、効力増強剤「MGK-264」は安全なの?

比較の前に、ひとつ余談を挟ませてください。

殺虫成分の毒性だけでは製品の安全性を完璧には比較できないですよね。

なぜなら、「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」には「MGK-264」という効力増強剤も入っているからです。

あの、やけに長い名前の成分のことですね。

これ自体に殺虫力はほとんどないのですが、フェノトリンと合わせて使うことでその効果を高めるので、安全性が気になるところです。

そこで、MGK-264という成分の毒性についても調べてみました。

結論としては、フェノトリンやピレトリンと同様に、大量に曝されなければヒトや動物に対しての毒性はほとんどないとのことです。(情報元:米国立農薬情報センターHP

日本のサイトでわかりやすく、且つ、公式的な解説をしているサイトがなくアメリカ頼りとなってしまいましたが、この農薬情報センターは米国立なので、信頼してもよいでしょう。

結論と考察:ふたつの殺虫剤の安全性はどちらも同じくらいなのでは?

ふたつのダニ駆除剤の殺虫成分の毒性を比較すると、

  • 経口・経皮毒性:ピレトリンの方が高い
  • 吸入毒性:フェノトリンの方が高い

ということがわかります。

つまり、

  • フェノトリン(キンチョー ダニがいなくなるスプレー)の方が吸い込むと危険
  • ピレトリン(ムシューダ ダニよけスプレー)の方が口に入ったり皮膚についたりすると危険

ということですね。(極端に言えば、です。)

そして、「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」の効力増強剤「MGK-264」の毒性を含めて考えても、このふたつの殺虫成分というか製品の安全性に、そこまで大きな差はないのではないでしょうか。

安全性の差もそうだし、正しく使えば人体への影響もそんなにないと思います。

だってそうでなければ「お子さんがいる家庭にも!」という売り方や、一番物を舐めたり触ったりする赤ちゃんを使った宣伝はできないはずです。

ただやはり化学物質であることに変わりないので、元々気管支や皮膚に問題がある人は特に、慎重に使うのが無難だと思います。

ピレスロイド系殺虫剤の安全な使い方

いくら人体への毒性が低いといわれるピレスロイド系殺虫剤でも、むやみに触れない方がいいのは確かです。

ピレスロイド系殺虫剤を使うときは、

  1. 部屋の換気を良くする
  2. 自分一人で部屋に入る
  3. できる限りグローブやゴーグル、マスクをする⇒スプレー後はよく手洗い
  4. スプレーした後はしばらく部屋に入らない・入らせない
  5. スプレーしたものが完全に乾くまで触らない・触らせない

これらの項目を徹底すれば、ほぼ安全に使えると思います。

私が使うときは正直グローブ・ゴーグル・マスクはしていないのですが、なるべくスプレーを吸い込まないようにできるだけ息を止めて使っています。(息継ぎは窓の外に顔を出して!)

部屋を空ける時間については根拠になるものがなかったので素人考えですが、30分以上は空けておいた方がいいのではないでしょうか。(かく言う私はずっと部屋にいます。)

我が家では子供たちが0歳のときから「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」を使っていますが、特に問題が起こったことはありません。

ピレスロイド系殺虫剤が毒性を示す動物 ※ペットを飼っている方は要注意!

ピレスロイド系殺虫剤は基本的に温血動物であるヒトには無害とされています。

しかし同じ温血動物でも猫や犬、鳥などには何らかの影響が出る可能性があるようです。

また、この殺虫剤の成分は水の中でも作用するので、魚類にも影響があります。

昆虫は言わずもがなです。むしろ一番テキメンです。

  • 昆虫(カブトムシ、クワガタなど)
  • 魚類(金魚、メダカなど)
  • 鳥類

このようなペットを飼っている方は、殺虫剤を使うときは別の部屋に移動させる or 水槽やかごを覆うなどの対策をしてから使うようにしてください!

ピレスロイド系殺虫剤を使ってこんな症状が出たら病院へ

では、ピレスロイド系殺虫剤を使って症状が出るとしたら、どのような症状が出るのでしょうか。

厚生労働省の報告によると、

  • 頭痛
  • 顔面蒼白
  • 眼の赤み
  • しびれ
  • 吐き気

などの症状が出るそうです。

これらの症状はいずれも誤った使い方をした結果ですが、安全に使っていてもこのような症状が出たら病院を受診してみてください。

眼の症状だけなら眼科でもよさそうですが、とりあえず内科に行くのが無難ですね。

まとめ:「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」も「ムシューダ ダニよけスプレー」も正しく使えば人体への影響はほとんどない

個人的な調査でわかったことは、

  1. ピレスロイド系殺虫剤は、正しく使えば人体への影響はほとんどないこと
  2. 「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」と「ムシューダ ダニよけスプレー」の安全性に大きな差はないこと(たぶん)

です。

ふたつの製品の安全性の違いを強いて言うなら、

  • 「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」は特に吸い込みに気をつけること
  • 「ムシューダ ダニよけ」は特に経口摂取・皮膚への接触に気をつけること

でしょうか。

「天然成分だから安心・安全!」というわけでも、「合成品だから危険!」というわけでもないということですね。

これから書くことは完全なる主観ですが、

何でも口に入れてしまう赤ちゃんがいるなら「ムシューダ ダニよけスプレー」よりも「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」の方がいい気がするし、

部屋を自由に出入りできるくらいの子供がいるなら「キンチョー ダニがいなくなるスプレー」よりも「ムシューダ ダニよけスプレー」の方がいい気がします。(根拠:50%致死量)

しかしスプレーを使うときに子供たちを確実に隔離できるならどちらでもいいというのが私の結論です。

【蛇足】

個人的に、ダニ駆除スプレーの毒性よりも、ハウスダストの影響の方が気になります。

ハウスダストは、ダニの糞や死骸、花粉、ヒトの皮膚とかのことですね。

こういうのがあると目ヤニは出るし、くしゃみ・鼻水は止まらないし、咳は出るし、何より睡眠妨害されるんですよね…。かなり健康に悪影響を及ぼします。

だからダニ駆除スプレーの毒性を気にするよりも、ハウスダストアレルギーの予防策のひとつとして、上手にダニ駆除スプレーを使う方がいいんじゃないかと思う今日この頃です。